タイヤの向き・進行方向には、タイヤの性能を向上させる目的があります。
この記事では、向きが決まっているタイヤと決まっていないタイヤの違いや、タイヤ交換や位置交換(ローテーション)を行うときの注意点、回転方向の見分け方について解説します。
タイヤの向き・進行方向とは?
タイヤには装着する向きが決まっているタイヤと決まっていないタイヤがあります。
向きが決まっているタイヤは、タイヤ自体に方向性を持たせているため、進行方向に対して正しい向きで装着する必要があります。正しく装着しなければ性能の低下につながり、トラブルが起こる可能性もあるので注意したいポイントです。
まずは、タイヤの向きと進行方向の関係性、回転方向の見分け方について説明します。
方向性のあるタイヤと方向性のないタイヤの違い
進行方向に指定があるタイヤは、排水効果や運動性能を向上させる目的で、溝やサイプ(切り込み)の向きに方向性を持たせており、以下の画像のように、矢印と「ROTATION」の文字がタイヤサイド部に刻印されています。
そのため、ドライ性能はもちろんのこと、ウェット性能に優れているため、雨天の走行でも操縦安定性を維持することができます。
雨の日の高速道路など、濡れた路面を高速で走行する場合も、ハンドルやブレーキがコントロールできなくなるハイドロプレーニング現象が起こりにくいのがメリットです。
また、進行方向の指定はないものの、外側と内側の向きが決まっているタイヤもあり、以下の画像のように、「OUTSIDE」や「INSIDE」の文字がタイヤサイド部に刻印されています。
タイヤの外側(OUTSIDE)と内側(INSIDE)のパタンデザインやタイヤ形状を変えることで、タイヤへの要求性能を総合的に向上させているため、正しい向きで取り付けることが大切です。
特に、自分でタイヤ交換をする場合は、方向性のあるタイヤなのかどうかを確認したうえで、装着する向きや進行方向を間違えないようにしましょう。
タイヤの向きを間違えると起こる問題
冒頭でも触れたように、向きが決まっているタイヤは正しい向きで装着することが大切です。
向きを間違えて装着してしまうと、タイヤ本来のパフォーマンスを発揮できなくなるだけではなく、ドライ性能やウェット性能、制動性能、直進安定性など、タイヤが持つ運動性能が総合的に低下します。
排水効果も低下するため、グリップ力やコーナリング性能が下がり、雨の日は滑りやすくなるでしょう。
ハンドルやブレーキが効かなくなるハイドロプレーニング現象のリスクもあり、非常に危険です。
向きが決まっているタイヤを交換するときは、進行方向に対する向き、外側・内側などをしっかりと確認する必要があるのはもちろんのこと、向きが決まっていないタイヤを交換するときも、適切な手順を踏まえて正しく装着しないと事故の危険性があるため、どちらの場合もタイヤ交換はプロに任せることをおすすめします。
タイヤの回転方向の見分け方
方向性のあるタイヤの場合、タイヤサイド部にある「ROTATION」という文字と回転方向を示す矢印が刻印されているため、誰にでも見分けがつくようになっています。
回転方向に指定がなく、外側と内側の向きが決まっているタイヤの場合も、タイヤサイド部の外側に「OUTSIDE」、内側に「INSIDE」という文字が刻印されています。
なお、タイヤサイド部に刻印がない対称(点対称)タイヤの場合、回転方向や外側・内側の向きに指定はないため、方向を逆にしてホイールに組み付けても、タイヤの性能は変わりません。
タイヤを長持ちさせるためにも定期的に位置交換しよう
タイヤの向きや方向性の有無に関係なく、タイヤは同じ位置に固定して長く装着していると、走り方などの影響により一部分だけが摩耗してしまうことがあります。
そのため、正しい向きで取り付けたとしても、タイヤを長持ちさせるには、5,000km走行に1回を目安にタイヤの位置交換(ローテーション)を行うことをおすすめします。
ただし、方向性のあるタイヤの位置交換は、進行方向に対する向きだけではなく、取り付ける場所にも注意が必要です。
前述の通り、方向性のあるタイヤは回転方向を逆にして装着できないため、左右のタイヤ交換は行わず、右側の前輪と後輪、左側の前輪と後輪の位置を変えるのみにしましょう。
また、そのため偏摩耗が起こりやすい傾向にあるので、定期的にチェックすることが大切です。
日常点検でタイヤの状態を確認し、偏摩耗が起きていると感じたら、早めにタイヤ交換をするのがおすすめです。
タイヤの向きを間違って装着しないようプロに任せよう
回転方向の向きが決まっているタイヤを間違って取り付けてしまうと、総合的なタイヤの性能、走行時のパフォーマンスが低下します。
方向性のあるタイヤの交換を自分で行う場合、気を付けているつもりでも、タイヤの向きを間違えてしまう方は多いです。
また、向きが決まっていないタイヤを交換する場合も、正しい手順で行わないと作業中のケガや脱輪などの重大な事故につながる可能性もあります。そのため、安心して走行するためにも、タイヤ交換はプロに任せることをおすすめします。
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タイヤの向きに気を付けて安全・快適なドライブを
回転方向に指定のあるタイヤは、排水効果や運動性能を向上させるために溝やサイプ(切り込み)の向きに方向性を持たせてあります。
特にウェット面での走行性能に優れているため、雨の日のドライブを安全・快適に楽しみたい方におすすめです。
ただし、取り付けの際に向きを間違えてしまうと、せっかくのタイヤ性能が発揮されないだけではなく、ハイドロプレーニング現象などのトラブルが起こるリスクがあります。
安全で快適なドライブを実現するには、タイヤ交換時に回転方向や向きをしっかりと意識することが大切です。
タイヤ交換の作業中のケガやそのときのミスによる事故の発生を防ぐためにも、方向性の有無を問わず、タイヤ交換はプロに任せることをおすすめします。
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