タイヤ交換を行うにあたって、自分でするべきか、プロに依頼するべきか、迷っている方もいるのではないでしょうか。
ゴム製品であるタイヤは消耗品なので、使い続けるうちに自然と摩耗してしまいます。
使用頻度が低かったとしても、ゴムは年月の経過とともに特性が変化するため、安全で快適なカーライフのためには、定期的なタイヤ交換をしなければいけません。
この記事では、タイヤ交換を自分でするときの手順や注意点、プロに任せたほうが安心な理由について解説します。
タイヤ交換は自分でしても良い?
雪の多い地域にお住まいの方は、タイヤの寿命にかかわらず、夏と冬の年2回のタイヤ交換が必要です。
タイヤ交換には「タイヤの組み換え」と「タイヤの履き替え(脱着)」の2種類があります。
「タイヤの組み換え」はタイヤチェンジャーという専用の機械が必要となるため、整備工場やタイヤ専門店のプロに依頼するのが一般的ですので、自分で行うことはできません。
一方で、「タイヤの履き替え(脱着)」のほうであれば、正しい知識と技術、道具がそろっていれば、自分で行うことは可能です。
また、自分でタイヤ交換ができれば、走行中にタイヤのトラブルがあったとしても、スペアタイヤに交換するなどの応急処置がスムーズになります。
応急処置をすることでロードサービスを待たずに、最寄りのガソリンスタンドや自動車整備工場などへ移動できるのもメリットの一つです。
しかし、慣れていない方が無理に自分でタイヤ交換をするのは、おすすめできません。
タイヤ交換は非常に時間がかかるうえ、正しい手順で行わなければ作業中にケガをしたり、タイヤ交換時のミスが原因で走行中にタイヤが外れる重大事故につながったりする場合もあります。
加えて、安全にタイヤ交換をするには、適切な作業場所、専用の道具も必要です。 万が一のときに備えて、セルフ交換の正しい知識を身に付けることは大切ですが、できるだけ無理をせずにプロに任せるようにしましょう。
自分でタイヤ交換する前の確認事項
自分でタイヤ交換をする場合、作業に入る前に、以下の3つのポイントを確認しましょう。
タイヤの回転方向
自分でタイヤ交換をする際は、事前に回転方向指示の有無や向きを確認してください。
回転方向指定のあるタイヤには、タイヤサイド部に必ず「ROTATION」という文字と回転方向を示す矢印が入っています。
タイヤのなかには、排水効果や運動性能を向上させるために、溝やサイプ(切れこみ)の向きに方向性を持たせているものがあります。
回転方向が決まっているタイヤの場合、指定の方向で装着しなければ、本来の性能が発揮できなくなってしまう危険性もあります。
タイヤの表面
タイヤ交換の作業に入る前に、装着するタイヤの状態もしっかりチェックしましょう。
タイヤの表面に亀裂やヒビが入った状態で使い続けてしまうと、思わぬ大事故につながるリスクがあります。
また、偏摩耗が発生していないか、三角のスリップサインが出ていないかなどの確認も必要です。
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タイヤの空気圧
タイヤの表面だけではなく、空気圧の確認も重要です。
空気圧に過不足があると、クルマとタイヤの性能を発揮できないばかりか、タイヤが損傷したり、事故につながる恐れがあります。
空気圧が足りない場合は、車種ごとにカーメーカーが指定している車両指定空気圧まで充填しましょう。
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自分でタイヤ交換する場合の手順
タイヤ交換はプロに任せるのがおすすめですが、どうしても自分でタイヤ交換をしなければならない場合に備えてセルフ交換の手順も紹介します。
まずは必要な道具をそろえましょう。これらはホームセンターやカー用品店などで購入できます。
- 軍手
- 輪止め
- ホイールレンチ
- トルクレンチ
- ジャッキ
それでは、自分でタイヤ交換を行う場合の基本的な手順について説明します。
ご自身で作業する場合は安全な作業場所を確保し、正しい知識と手順で作業を行ってください。重大なトラブルを引き起こす可能性があるので、タイヤ交換には細心の注意を払いましょう。
①車体が安定する平らな場所を確保
タイヤ交換を自身で行う場合は、エンジンは切った状態で、車体を安定させるためにコンクリートで舗装された平らな地面で行いましょう。
不安定な場所で作業をすると、タイヤを外した際にジャッキが外れてケガをしてしまう恐れもあるので危険です。
また、タイヤを置いたり屈んだりするため、余裕のある作業スペースを確保するのもポイントです。
もし、作業スペースを確保することができない場合は、タイヤ専門店などに交換を依頼することをおすすめします。
②交換するタイヤと必要なアイテムを準備する
車体を平らな場所に移動させたら、交換するタイヤと交換に必要なアイテム(輪止め、レンチ、ジャッキ)を用意します。
輪止めはタイヤを固定するためのもの、ジャッキは車体を持ち上げるためのもの、レンチはホイールを固定しているナットを緩めたり締めたりするためのアイテムです。
車載の純正のものでも作業は可能ですが、ご自身で交換することが多いという方は、ホームセンターやカー用品店で専用品を購入しておくと便利でしょう。
③輪止めをかけて車体が動かないようにする
続いて、車体が動かないように輪止めをかけます。
AT車とMT車では、手順が少し異なるためご自身のクルマに合った手順で行ってください。
AT車の場合は、タイヤ交換をする際に必ずクルマのエンジンを切り、シフトレバーをP(パーキング)に入れます。MT車の場合は1速に入れてクルマが動かないようにしておきましょう。
サイドブレーキをしっかりとかけたら、輪止めをかけます。
輪止めをかける際は位置に注意してください。 「左前のタイヤ交換を行う場合は右後ろに輪止め」というように、交換する位置の対角線上にあるタイヤにしっかりとかけましょう。
この作業を怠ると交換時に車体が地面に落ちたり、ケガをしたりする危険性があるので、バランス良くかけるのがポイントです。
④レンチでホイールナットを少し緩める
ここからは、タイヤ交換の作業に入ります。
まず、ナットを少しだけ緩める工程です。
ナットの位置は、アルミホイールの場合そのままの状態で確認することができますが、スチールホイールでホイールキャップが付いている場合は、レンチの平らな部分をホイールとキャップの間に差し込み外しておいてください。
ナットの位置が確認できたら、レンチを使ってナットを少しだけ緩めていきます。レンチを回す方向は、反時計回りです。
強く締まっている場合には、なるべくレンチの先端を持つようにして、体重をかけると緩みやすくなります。
⑤ジャッキを使ってボディを上げる
次に、ボディの下にある「ジャッキアップポイント」と呼ばれるへこみや三角の印の箇所にジャッキを当てます。
ジャッキアップポイントになっているボディの縁部分を、ジャッキの先端にある溝に合わせるように固定します。
このとき、少しでも溝からずれているとジャッキアップポイントが曲がってしまうことがあるので注意が必要です。
また、間違った位置にジャッキを当てるのは危険なので、位置が分からない場合は必ず取扱説明書を確認してください。
ジャッキの溝にジャッキアップポイントをセットしたら、地面からタイヤが浮き上がるまで車体を持ち上げていきます。
このとき、あまりにも高く車体を上げすぎると不安定になりとても危険なので、タイヤが少し浮く程度で十分です。
スムーズに作業を行うために、ジャッキは前もって少し伸ばしておくと良いでしょう。
⑥すべてのナットを緩めてタイヤを外す
車体が持ち上がったら、軽く緩めておいたナットをすべて緩めてタイヤを外します。
ナットを取り外す順番は決まっているわけではありませんが、下・横・上の順に外していくと作業の最中にタイヤが手前に倒れてくるのを防ぐことができます。
また、タイヤとホイールはかなり重量があるため、両手でしっかりと押さえて、ゆっくりと地面に下ろしましょう。
取り外したタイヤを車体の下に入れておくと、万が一ジャッキが外れたときにも、車体を支えてくれます
⑦タイヤを装着して、仮止めをする
次に、新しいタイヤを装着します。
ホイールと車体側のナットの位置を先に確認しておくと、重量のあるタイヤとホイールを持ち上げながら角度を調節する手間を省くことができます。
車体に合わせられたら、傾いていないか、位置がずれていないかを確認し、しっかり奥へと装着してください。
体はタイヤに対して正面に向け、下から支えるようにします。このとき、タイヤを8時20分の位置を意識すると持ちやすいです。
曲がった状態で無理やり装着してしまうと脱落などのトラブルの原因になるので、丁寧に向きを合わせることを意識しましょう。
取り付ける際は、ホイールとナットの座面の形状が合っているかと、ナットの内側にゴミやホコリが入ってしまっていないかを確認してください。
息を軽く吹きかけると、目で確認しにくいゴミやホコリが取れて止めやすくなります。
チェックしたら、ホイールにナットを手で入れて、時計回りに回して手で入れて仮止めをします。
仮止めをする順番は、ナットを取り外したときと反対に上・横・下で入れることでタイヤが手前に倒れるのを防ぐことができます。
⑧ガタつきがなくなるまでナットを締める
仮締めができたら、レンチを使ってナットを時計回りに回し、ホイールのガタつきがなくなるまで締めていきます。
1ヶ所だけをしっかり締めてしまうのではなく、すべてのナットを2~3回程度に分けて均等に締めていくのがポイントです。
また、順番に隣へと移動して締めるのではなく、できるだけ対角線の順で行うと、確実に締めることができます。ナットが5本ある場合は、画像のように星を描くイメージで行ってみてください。
⑨ジャッキを下ろしてナットの本締めをする
ここまで終わったら、ジャッキを少しずつ緩めて、タイヤが地面にしっかり着地するまで下げます。
ジャッキは、完全に車体が下りてジャッキポイントと離れているのを確認してから取り外してください。
そして、すべてのナットの本締めを行います。
仮締めと同じように、レンチで2〜3回に分けて対角線の順で均等に締めましょう。
車種ごとに設定された力で本締めをするためには、トルクレンチが必要です。
トルクレンチがないからといって別の工具で行うと、力を入れすぎてネジ山が潰れるなどのトラブルにつながるので、絶対に避けてください。
そのため、ホームセンターやカー用品店でトルクレンチを購入するか、タイヤ専門店に依頼するようにしましょう。
最後に輪止めを外したら、交換作業は完了です。
⑩試運転をする
タイヤ交換が完了したら、必ず試運転で振動や異音がないかを確認しましょう。
いきなりスピードを出したり、勢い良く曲がり角を曲がるなどは避けてください。
もし、交換後にトラブルがあった場合はご自身で対処するのではなく、近くのタイヤ専門店に相談しましょう。
自分でタイヤ交換を行う際の注意点
タイヤ交換時に大切なことは、正しい方法・手順を守ることです。
無理にタイヤ交換を自力で行おうとすると、ジャッキアップがうまくいかず、車体と地面の間に体の一部が挟まってしまうなどの重大な事故が起こることもあります。
さらに、タイヤ交換後の対応も重要です。
タイヤを車両に装着した後は、車体からタイヤ・ホイールがはみ出していないか、車体と接触する恐れがないかを必ず確認しましょう。
オーバーフェンダーになるような装着、およびフェンダー加工、車両の改造等による装着は、法令で禁止されています。絶対に避けてください。
新品のタイヤを装着した場合は、ならし走行が必要です。
新品から急激に過酷な条件で使用すると、異常発熱による損傷を起こしやすくなります。
ならし走行を行うことで、タイヤの表皮がとれて本来のゴムのグリップが発揮され、タイヤ交換前後の性能差にも馴れるため、安全走行が確保できるでしょう。
タイヤ交換は決して簡単な作業ではなく、さらに交換前・交換後にも注意しなければならないポイントがあります。
より安全で快適なカーライフを維持するためにも、タイヤ交換はプロに依頼することをおすすめします。
ブリヂストンならタイヤ選びから交換までラクラク!
ここまで、自分でタイヤを交換する方法を紹介してきましたが、安全面や手間を考えると、やはりプロに頼むほうがおすすめです。
ブリヂストン タイヤオンラインストアなら、タイヤの情報収集から購入・支払い、交換作業の予約まで、すべてをオンラインで簡単に済ませることができます。
ここからは、ブリヂストン タイヤオンラインストアでタイヤ交換をするときの流れを紹介します。
ブリヂストン タイヤオンラインストアでタイヤ交換する場合の流れ
ブリヂストン タイヤオンラインストアのタイヤ交換は、以下の3ステップで完了します。
- タイヤ・オプションを選ぶ
- お近くの店舗とご希望日時を予約
- ご予約日時にタイヤの交換作業のためご来店いただく
タイヤ交換の作業はブリヂストン認定のB-select加入店である、「コクピット」「タイヤ館」「ミスタータイヤマン」「ブリヂストン タイヤショップ」のスタッフが対応します。
B-selectとは、ブリヂストンのタイヤ専門店(コクピット・タイヤ館・ミスタータイヤマン・ブリヂストンタイヤショップ)の中でも、高い接客・作業品質を保つ店舗のネットワークのことです。
B-select加入店は全国に約700店舗あり、タイヤ選びで迷ってしまった場合に来店して相談するのはもちろん、専門スタッフとビデオ通話での相談ができるのも、ブリヂストン タイヤオンラインストアならではの魅力です。
また、ブリヂストン タイヤオンラインストアなら、新たなタイヤの購入と同時に、タイヤ交換の作業予約も完了します。
安全面や道具・設備の用意、作業をする手間などを考えると、失敗したときのリスクは大きいです。
「組み換え」の場合はもちろん、「履き替え(脱着)」の場合も、無理をせずプロに任せるのが安心です。
これからタイヤ交換を検討している方は、ぜひブリヂストン タイヤオンラインストアをご活用ください。