ブリヂストンのモノづくりへのこだわり
― 新たなタイヤ開発の軌跡 ―

「最高の品質で社会に貢献」
その理念を胸にブリヂストンは高い品質のタイヤを作り続けます

「最高の品質で社会に貢献」という企業理念もと、
高い品質のタイヤやゴム製品をつくり人々の安心な移動や生活を支えていく―社会を「支える」

それは1930年の創業以来、
ブリヂストンの変わらぬ思いです。

創業の地である福岡県久留米市から、
日本、アジア、そしてグローバルへと事業を拡大・進化させる中で培った
「品質へのこだわり」は受け継がれています。

01 トレッドパタン開発

タイヤ開発におけるメカニズムを担当。
他部署のプロフェッショナルと議論を交わし新たな技術開発を行う

お客様の安全を守ることが使命です

私たちがこのタイヤに込めたのは、ただの技術ではありません。冬の道に潜む危険から、大切な命を守り抜くという、揺るぎない使命です。どんな過酷な状況でも、お客様に安心して走ってほしい。その想いが、私たちを突き動かしています。

常識にとらわれないことで新技術を生み出しました

従来の常識にとらわれることなく、私たちは新たな一歩を踏み出しました。
排水・除水するだけだったパタン技術に、「水を溜める」という革新的な発想を加え、L字タンクサイプという新しい機能を生み出したのです。この貯水機能が、タイヤと路面の接地面を最大化し、これまでにないグリップ力を実現します。

02 モジュール設計

タイヤの構造設計を担当し、製品開発をリードする役割を担う。
要素技術をタイヤの形に落とし込み、性能評価を行うことで製品性能の作り込みを行っている

「どんな走りを届けたい?」その答えを探しています

製品開発の現場であるモジュール設計では、思い描いた理想のタイヤを形にするべく、タイヤの金型や構造を設計しています。トレッドパタンやゴムといったタイヤを形作る様々な要素が一つに組み合わさった時にどのような相互作用が生まれ、目指したタイヤができるのか――その未知に挑み続けています。

幾度となく議論を重ね、試験を繰り返しながら、「このタイヤを通じてお客様にどんな走りを届けたいのか」という問いに真摯に向き合い続ける。その姿勢こそが、タイヤの方向性を決める上で非常に重要です。

数えきれないほどのテストを行って最適なバランスを探しました

新たなスタッドレスタイヤの開発において私たちが目指したのは、ただ氷雪に強いタイヤではありません。晴れた日の路面も、雨に濡れた路面も、あらゆる路面ですべての人に快適な走りを届けること。

そのために、数えきれないほどのゴムをテストし、氷雪路面はもちろん、その他の路面でも高いパフォーマンスを発揮できるタイヤを探し続けました。

03 ゴム開発

様々な原材料を配合して、
これまで以上の高いタイヤ性能を発揮するゴムの研究開発を行う

私たちは素材の限界に挑み続けます

氷の上でゴムが固くならないよう、無数の原材料を組み合わせ何度も試行錯誤を重ねてきました。
氷上での停止性能を向上するためにタイヤをより柔らかくすると、摩耗やグリップ力の低下といった新たな課題が立ちはだかります。
性能のすべてを両立させるためのバランス。その繊細な調整が、ゴム開発の真骨頂です。

開発のポイントは「逆転の発想」です

今回の開発で、私たちは発想を転換しました。
これまでスリップの原因として除去すべき存在とされていた氷上の水膜を、逆に活用可能な要素と捉え、その水を介してタイヤから路面に力を伝えられないかと考えたことで、新技術の開発に成功することができました。

無数の試行錯誤と新しい視点が、これまでにない走りを可能にします。細部にまでこだわり抜き、タイヤに命を吹き込む。その情熱が、冬の道に新たな価値をもたらします。

04 試作タイヤ生産

開発工場の技能員として、
毎日異なるサイズやカテゴリの試作段階のタイヤを生産する

私たちは、試作タイヤのわずかな違いや異常を見逃しません

試作段階のタイヤは、一つとして同じものはなく、決められた手順通りに進めても、思い通りの結果が得られるとは限りません。

その不確かさの中で、わずかな違いや異常を見逃さず、設計者へ的確にフィードバックを届けることは、熟練の技術と鋭い感性、そして柔軟な発想力がなければ成し得ない仕事です。

丁寧な積み重ねが、安心につながります

スタッドレスタイヤに使われるトップトレッドは、極めて柔らかく繊細です。ほんの少し力を加えるだけで、形状が変わってしまうほど。その微細な変化が、トレッドパタンやサイプの精密な形成に影響し、氷雪路でのグリップ性能を大きく左右します。

だからこそ、一本一本に細心の注意を払い、熟練の手で丁寧に仕上げていく。その積み重ねが新しいタイヤを生み出し、冬道での安全と安心につながっていくのです。

05 実車試験

何度もテスト走行を繰り返し、
狙ったタイヤ性能が出ているかを評価する

2年間、すべての道を走り抜きました

ブリザックの新商品誕生までの道のりは、決して平坦なものではありませんでした。
約2年もの歳月をかけ、春から秋にかけてはドライやウェット路面での操縦安定性・ノイズ・乗り心地を細やかに検証し、冬には北海道の専用コースにて雪と氷の路面に挑み続けました。
さらに、毎月のようにスケートリンクで氷上制動の試験を繰り返し、あらゆる路面状況での性能を徹底的に検証したのです。

ブリザックブランドとして恥ずかしくない製品ができました

その情熱と執念が優れたグリップ力を確保しつつ、他の機能を犠牲としないENLITEN®としての大きな性能円の確保につながりました。
また、従来のスタッドレスタイヤより摩耗(経年劣化含む)後の性能低下が抑えた商品を開発することができました。

何度も走り込み、限界までテストを重ねたからこそ、自信を持って“誇り”と呼べるタイヤが生まれました。