新しいタイヤを装着したら、タイヤの性能を十分に発揮させるため、まずは「慣らし走行」を行う必要があります。
しかし、「慣らし走行って本当に必要なの?」「具体的にどうやればいいの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、タイヤの慣らし走行とは何か、必要性や正しいやり方について詳しく解説します。
タイヤの慣らし走行とは

タイヤの慣らし走行とは、新品のタイヤの表皮(表面層)を走行によって剥がすプロセスのことで、「タイヤの皮むき」とも呼ばれます。
新品タイヤの表面には、製造過程で使用される離型剤や化学物質が付着しているため、そのままの状態で通常走行をすると、グリップ力やブレーキ性能が十分に発揮されず、安全性が低下する可能性があります。
タイヤの表皮を削り落とすことで、タイヤが本来持つ性能を引き出し、走行の安定性を高めることができるのです。
また、慣らし走行を行わないと、異常発熱による損傷を起こしやすくなるため、注意が必要です。
新品タイヤへの交換後は、必ず慣らし走行を行いましょう。
タイヤの慣らし走行はなぜ必要?

タイヤの慣らし走行は、安全性やタイヤの耐久性に影響する重要なプロセスです。
続いては、タイヤの慣らし走行の必要性やメリットを紹介します。
タイヤ本来の性能が発揮できる
新品タイヤの性能は、タイヤ表面の離型剤や化学物質を取り除いた後、初めて発揮されます。
そのため、どれだけ高性能なタイヤを購入しても、慣らし走行を行わなければその性能を十分に発揮することはできません。
特に、慣らし走行はタイヤのグリップ力に影響するため、安全に走行するためにも事前に慣らし走行を行っておきましょう。
タイヤが長持ちする
新品タイヤを慣らし走行することで、タイヤの内部構造がなじみ、わずかに膨張してタイヤとリム(ホイールのタイヤと接する部分)の接着が向上します。
これは寸度成長と呼ばれる現象で、故障耐久性が向上し、タイヤが長持ちするメリットがあります。
タイヤの走行感覚に慣れる
タイヤは、メーカーやブランド、種類によって特性が異なります。
例えば、運動性能に特化したタイヤから静粛性を重視したタイヤに交換すると、ハンドリングや乗り心地に違いを感じることがあります。
特に雨天時や高速道路での運転時には、この違いが大きな差を生む可能性もあるため、注意が必要です。
慣らし走行を通じてドライバーがその違いを把握できれば、適応する時間を作ることができます。
タイヤの特性に慣れることで、安全かつ快適に走行できるでしょう。
タイヤの慣らし走行のやり方

ここからは、慣らし走行の具体的な手順や注意点について詳しく解説します。
正しい慣らし走行のやり方を知って、安全で快適な走行を実現しましょう。
目安の速度と距離
タイヤの慣らし走行を行う際には、以下の速度と走行距離を目安にしてください。
- サマータイヤ(夏タイヤ・ノーマルタイヤ):80km/h以下で100km以上
- スタッドレスタイヤ(冬タイヤ):60km/h以下で200km以上
スタッドレスタイヤは特に低速かつ長距離で慣らし走行をすることで、タイヤの表面が均等に削られ、性能が安定します。
交通量の少ない一般道路を選び、安全に配慮した走行を行いましょう。
急発進や急ブレーキを避け、穏やかな運転を心がけることでタイヤへの負担を軽減できます。
走行場所
慣らし走行を行う理想的な場所は、交通量が少なくスピードを抑えやすい郊外の道路や、信号が少なく一定速度で走行できる直線的なルートです。
高速走行はタイヤに急激な負荷をかけるため、異常発熱による損傷のリスクがあります。
高速道路や制限速度の高いバイパス道路は避け、一般道路を選びましょう。
新品のスタッドレスタイヤは事前の慣らし走行が必要
スタッドレスタイヤの慣らし走行は、60km/h以下で200km以上の走行が必要なため、最低でも3時間以上の時間を要します。
購入後すぐに積雪や凍結路で使用することは危険なため、積雪や凍結が発生する前にタイヤを交換し、余裕を持って慣らし走行を実施することをおすすめします。
安全に走行するなら定期的に点検をしよう

新品タイヤの慣らし走行が完了した後にも、タイヤの安全性を保つために、定期的に点検を受けるのがおすすめです。
例えば、空気圧が低下したタイヤはパンクしやすく、路面でのグリップ力が低下し、ブレーキ性能が大幅に落ちる危険性もあります。
また、タイヤの偏摩耗は、走行中の振動や騒音を増加させ、タイヤの寿命が短くなる原因にもなります。
安全な走行を続けるには、タイヤの異常をいち早く発見し、適切に対処することが重要です。
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- 空気圧
- 残り溝
- 傷やひび割れ
- 偏摩耗
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タイヤの慣らし走行をして快適なドライブを

タイヤの慣らし走行は、新品タイヤが本来の走行性能を発揮するために欠かせないプロセスです。
特にスタッドレスタイヤ(冬タイヤ)は、低速かつ長距離での慣らし走行が求められるため、雪が降る本格的なシーズンが始まる前にタイヤ交換を済ませておくことをおすすめします。
慣らし走行を終えた後も、快適で安全なドライブを維持するためには、タイヤの状態を定期的に点検することが大切です。
空気圧や残り溝、偏摩耗といったタイヤの基本的な状態を確認し、事故やトラブルのリスクを軽減しましょう。
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慣らし走行を踏まえ、タイヤ交換は余裕を持って行い、快適なドライブを楽しみましょう。
※予約可能日時は店舗の空き状況によって変動します。