タイヤのサイズ変更を検討する際、タイヤの外径の計算方法を正しく理解しておかないと、車検に通らなかったり、走行性能に問題が生じたりしかねません。この記事では、そもそもタイヤの外径とは何かという基本から、外径の計算方法、外径を変えずにホイールの直径を変える方法、タイヤの外径が車検へ与える影響までをわかりやすく解説します。

タイヤの外径とは?外径計算の必要性

そもそもタイヤの外径とは、タイヤの端から端までを直線で結んだ長さ(直径)のことです。タイヤの側面には表示されていないため、計算によって算出する必要があります。

タイヤの外径計算が必要となるのは、主にインチアップ・インチダウンなど、タイヤサイズの変更を伴う交換時です。タイヤ交換の際、ホイールのサイズを変更することはできますが、タイヤの外径は純正タイヤにそろえるのが原則です。

タイヤの外径を変更すると、タイヤが一回転したときに進む距離が変わります。すると、スピードメーターと実際の速度に誤差が生じることがあり、誤差が大きくなると車検に通らなくなってしまうため、タイヤ交換の際は、もとの装着タイヤと同じ外径のタイヤを選ぶ必要があります。

タイヤの外径とタイヤサイズの違い

外径の基本を押さえたところで、混同しやすいタイヤサイズとの違いも整理しておきましょう。外径は、タイヤ全体の「直径」を指す物理的な長さです。

一方でタイヤサイズは、タイヤの総幅やタイヤ内径(リム径)、偏平率などを示す規格の組み合わせを指します。つまり、タイヤサイズという複数の数値から導き出される結果の一つが、外径という寸法になります。

タイヤサイズの基本

タイヤサイズの基本

タイヤの外径計算をするには、タイヤの各要素を知っておく必要があります。

まずはタイヤサイズの基本を押さえておきましょう。

タイヤサイズには、外径以外にも以下のような要素があります。

名称 内容
タイヤの総幅 タイヤの側面の模様・文字などを含む、端から端までを直線で結んだ長さ
タイヤ内径(リム径) タイヤを装着していない状態のホイールの直径
断面幅(W) タイヤの総幅からタイヤの側面の模様・文字などを除いた長さ(リムガードは含まない)
断面の高さ(H) タイヤの外径からリム径を引いた数の2分の1
偏平率 タイヤの断面幅(W)に対する断面の高さ(H)の比率 偏平率=断面の高さ(H)/断面幅(W)×100(%)という式で計算される
名称 内容
タイヤの総幅 タイヤの側面の模様・文字などを含む、端から端までを直線で結んだ長さ
タイヤ内径(リム径) タイヤを装着していない状態のホイールの直径
断面幅(W) タイヤの総幅からタイヤの側面の模様・文字などを除いた長さ(リムガードは含まない)
断面の高さ(H) タイヤの外径からリム径を引いた数の2分の1
偏平率 タイヤの断面幅(W)に対する断面の高さ(H)の比率 偏平率=断面の高さ(H)/断面幅(W)×100(%)という式で計算される

タイヤサイズの表記方法・見方

タイヤの側面に「215/45R18 93W」や「235/45ZR17」のように表示されているのがタイヤサイズです。

タイヤサイズの表記方法・見方

偏平率とは、タイヤの幅(W)に対する高さ(H)の比率を表す数値です。

同じ偏平率を持つタイヤを「シリーズ」や「%」で表します。ハンドリングと乗り心地の最適なバランスを得るためには、正しい偏平率の選択が重要です。

ラジアル構造とは、タイヤの中心部から放射線状にカーカス(タイヤの内側で形を支える、ゴムで覆われた繊維やスチールの層)が配置された構造を指します。

一般的な乗用車のタイヤは、ほとんどがラジアル構造です。

ロードインデックスとは、規定の条件下でタイヤに負荷することが許される最大の質量を表す指数です。

また、速度記号とはタイヤがそのロードインデックスにより示された質量を、規定の条件で負荷のかかった状態において走行可能な最高速度を表したものです。

つまり、「215/45R18 93W」というタイヤサイズの表示からは、以下の情報を読み取ることができます。

  • タイヤ幅(断面幅):215mm
  • 偏平率:45%
  • 構造:ラジアル構造
  • タイヤ内径(リム径):18インチ(457.2mm)
  • ロードインデックス(荷重指数):93
  • 速度記号:W(最高速度270km/h)

ブリヂストンのサイズ表記では、タイヤ幅は断面幅を示します。

速度記号については以下の記事で詳しくは解説しているので、あわせてご覧ください。

タイヤの速度記号(スピードレンジ)について詳しい記事はこちら

タイヤサイズの確認方法

タイヤサイズを確認する方法はいくつかあります。タイヤサイズの調べ方として確実なのは、現在装着されているタイヤの側面(サイドウォール)に記載してある数値を確認することです。また、運転席側のドア開口部(空気圧ラベル)では純正サイズを把握できます。

タイヤサイズについて詳しい記事はこちら

タイヤの外径の計算方法

タイヤの外径を求める計算式は、以下の通りです。

タイヤの外径=(タイヤの断面幅×偏平率÷100)×2 +タイヤ内径(リム径)

※偏平率は45%=0.45として計算します

まず、タイヤの断面幅×偏平率で、断面の高さを求めます。

断面の高さを2倍した値にタイヤ内径(リム径)を足したものが、タイヤの外径になります。

タイヤ内径(リム径)の単位はインチで表示されているため、mmに変換して計算しましょう。1インチは25.4mmです。

計算例

では、タイヤの外径を計算してみましょう。「215/45R18 93W」というタイヤサイズの場合の外径は、以下の通りです。

  • 断面の高さ:215mm×0.45=96.75mm
  • タイヤ内径(リム径):18インチ×25.4mm=457.2mm
  • タイヤの外径:96.75mm×2+457.2mm=650.7mm

適切なタイヤの偏平率とは?

前述した外径計算にも登場した、タイヤサイズを知る要素の一つである「偏平率」について詳しく説明します。

タイヤサイズの「215/45R18」を例にすると、「45」の部分が偏平率です。偏平率は、タイヤの断面幅(W)に対する断面の高さ(H)の割合を示しており、この場合はタイヤの高さが幅の45%であることを表します。偏平率は、タイヤの運動性能や乗り心地に影響します。

適切なタイヤの偏平率とは?

高い偏平率のタイヤは、タイヤに厚みがあり、クッション性が高くなるため、乗り心地を左右する快適性能が高い傾向があります。一方、偏平率が低いタイヤは側面(サイドウォール)が薄く変形が少ないため、ハンドリングの応答性が良く、運動性能が高いという特徴があります。

同じタイヤ外径で比較した場合、低い偏平率のタイヤのほうがホイールの直径が大きくなるため、ホイール部分が目立つという見た目にも違いが現れます。

適切なタイヤの偏平率とは?

運動性能や乗り心地、見た目など、何を重視するかによって、適切な偏平率のタイヤを選びましょう。

原則としてタイヤサイズを変更する際は外径を変えない

タイヤサイズを変更する際は、タイヤの外径は変えないことが原則です。外径が大きく変わると、スピードメーターの表示と実際の速度に誤差が生じます。また、タイヤが車体に接触して傷がついたり、車検に通らなくなったりする原因にもなります。安心して運転するためにも、元のタイヤに近い外径を選ぶことが基本です。

外径を変えずにホイールの直径を大きくする「インチアップ」

インチアップとは、タイヤの外径を変えずにホイールの直径(タイヤ内径・リム径)だけを大きくするタイヤサイズの変更方法です。

インチアップをすると、タイヤの側面が薄くなり、走行中に変形しにくくなります。そのため、ハンドリングの応答性が良くなり、カーブを曲がる際の安定感も増します。

一方で、忘れてはいけないのが日常の走りへの影響です。インチアップをするとタイヤのゴムの層が薄くなるため、路面の凹凸を拾いやすく乗り心地が硬くなる傾向があります。また、タイヤの接地面積が広がることで燃費が落ちたり、走行音が大きくなったりしやすくなります。

なお、インチアップをする際は、純正タイヤ装着時の負荷能力を下回らないよう空気圧を調整することや、タイヤの外径をもとの装着タイヤに合わせることが必要です。外径が大きく変わると、速度計の表示にずれが生じたり、車体へ接触したりする可能性があります。

オーバーフェンダー(タイヤの上部や周囲を覆っている車体部分である「フェンダー」を外側に張り出させ、タイヤのはみ出しを収めるためのパーツ)や車体との接触がないように注意しましょう。接触するとタイヤや車体が損傷するおそれがあるほか、車体からのはみ出しは保安基準に適合しない可能性があります。

外径を変えずにホイールの直径を大きくする「インチアップ」

インチアップに関して詳しい記事はこちら

外径を変えずにホイールの直径を小さくする「インチダウン」

インチダウンとは、タイヤの外径を変えずに、ホイールの直径だけを小さくするタイヤサイズの変更方法です。ホイールが小さくなる分、タイヤのゴム部分が厚くなり、地面に接する幅はやや狭くなるのが一般的です。

インチダウンの最大のメリットは、タイヤの購入価格を抑えやすくなることと、ゴムの厚みが増して乗り心地が柔らかくなる場合があることです。冬用のスタッドレスタイヤで出費を抑えたい場面などに、選ばれるケースがあります。

一方で、インチダウンは運動性能の低下やリムが車両のブレーキ部品に接触するといったトラブルが起こる可能性があり、おすすめしていません。また、見た目の迫力が控えめになる点がデメリットに感じる方もいるでしょう。

タイヤの外径が車検へ与える影響

タイヤサイズを変更する際は外径を変えないことが原則ですが、実際には市販のタイヤで完全に同じ外径のものを見つけるのは簡単ではありません。では、どの程度の誤差であれば、安全かつ車検にも通るのでしょうか。

車検では、速度計が40km/hを示したとき、速度計試験機で計測される実際の速度が31.0〜42.5km/hの範囲内であることを確認します。実際の速度がメーター表示を超えると車検に通らないため、外径が純正タイヤより大きくなるサイズ変更は避ける必要があります。

そのため、タイヤを選ぶ際の実用上の目安としては「純正タイヤと同等の外径」の範囲内で探し、かつ外径だけでなく車体を安全に支える能力も重要になるため、「ロードインデックスが純正タイヤと同等以上」となるものを選ぶのが基本となります。

ご自身での判断が不安な場合は、タイヤ専門店のスタッフに相談することをおすすめします。

ロードインデックスについて詳しい記事はこちら

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