雨の日の運転は滑りやすく、特に高速道路ではタイヤが突然滑り出す「ハイドロプレーニング現象」が起こりやすいです。
ハイドロプレーニング現象は重大な事故につながる危険性があるため、雨の日の運転は注意点を押さえて安全に走行しましょう。

この記事では、ハイドロプレーニング現象がなぜ起こるのか、雨の日にタイヤが滑る原因や安全に運転するための注意点を紹介します。

雨の日の運転は滑りやすい?

運転席の写真

雨の日の運転は、タイヤのグリップ力が落ちることによりタイヤが滑りやすくなります。

乾いた道路を走行する場合、タイヤのトレッド面(接地部)が路面にしっかりと接触するため、ステアリング(ハンドルの操作)が安定しますが、雨の日にはタイヤと路面の間に水が入り込むことにより、水膜によってタイヤが少し浮いた状態になることがあります。
そのため、グリップ力が低下し、滑りやすくなったり、後述する「ハイドロプレーニング現象」が起こりやすくなったりするのです。

雨の日に起こるハイドロプレーニング現象とは?

雨に濡れた道の写真

先ほど説明した「水膜によって浮いてしまう現象」は、一般的にハイドロプレーニング現象と呼ばれています。

この現象は、特に雨の日の高速道路などで発生しやすく、ステアリングやブレーキの反応が鈍ることで、操縦性を大きく損なうリスクがあります。

ここでは、ハイドロプレーニング現象が起こる原因と対処法について詳しく解説します。

ハイドロプレーニング現象が起こる原因

ハイドロプレーニング現象は、雨などで路面が濡れている状況の下で発生します。
ハイドロプレーニング現象が起こる主な原因は、以下の通りです。

  • タイヤの摩耗
  • スピードの出しすぎ
  • 空気圧の不足 など

通常、タイヤにはトレッドパタンという溝や切り込みがあり、はっ水性能や駆動力、制動力、操縦安定性を向上させる働きがあります。

しかし、タイヤの摩耗によって溝が浅くなっていたり、新品のタイヤでもスピードを出しすぎてしまうと、ハイドロプレーニング現象が起こりやすくなるため、注意が必要です。

また、タイヤの空気圧が不足していると、トレッド面(接地部)が路面にしっかりと接触しないため、排水性やグリップ力を低下させます。
タイヤの偏摩耗にもつながるため、月に一度はタイヤの空気圧をチェックするようにしましょう。

ハイドロプレーニング現象が起こったときの対処法

ハイドロプレーニング現象が起きてしまった場合は、慌てずに落ち着いて対処することが重要です。

具体的には、以下の手順で対処しましょう。

  1. ハンドルをしっかりと握る
  2. アクセルから足を離す
  3. 可能な限り直進を保つ
  4. ゆっくりとブレーキを踏む
  5. 安全な場所に停車する

突然ハンドルやブレーキが効かなくなったとしても、急にハンドルを動かしたり、急ブレーキをかけるのは危険です。
ハンドルをしっかりと握ったら、ゆっくりとアクセルから足を離しましょう。

ハンドルを大きく切ると車体のバランスを崩しやすくなるため、必要以上に動かさず、可能な限り直進を保つようにしてください。

そのままタイヤのグリップ力が回復するのを待ち、ゆっくりとブレーキを踏んで速度を落とします。
できれば安全な場所へと移動し、クルマを停車させましょう。

雨の日の運転の注意点

雨に濡れたフロントガラスの写真

雨の日の走行は、路面の滑りやすさや視界の悪さから、通常よりも事故のリスクが高まります。
そのため、ハイドロプレーニング現象に限らず、雨の日の運転ならではの注意点を知っておきましょう。

スピードを出しすぎない

雨の日の運転は、通常よりもスピードを落とすことを意識しましょう。
高速道路ではもちろん、一般道路でもカーブや交差点では減速をして、スリップやスピンを防ぐことが大切です。

十分な車間距離を保つ

雨の日は、ブレーキの効きが悪くなる場合があり、クルマが停止するまでの制動距離が長くなります。
前のクルマへの衝突事故を防ぐためにも、雨の日には十分に車間距離を保つことを心がけましょう。

良好な視界を確保する

雨の日の視界を改善するには、昼間でもヘッドライトを点灯しましょう。 前方が見えやすくなるだけではなく、クルマの存在を他のドライバーに知らせる役割もあります。
また、雨の強さによってワイパーの速度調整をしましょう。加えて、雨の日は窓ガラスに結露が発生しやすいため、フロントガラスへのくもり止めを使用するのもおすすめです。

左右・後方の確認をしっかり行う

雨天時はガラスやミラーに水滴が付着するため、前方だけはなく、左右・後方の視界も悪くなりがちです。
晴れの日よりも左右・後方の安全確認を丁寧に行い、安全な運転を心がけましょう。

雨の日のタイヤ選びのポイント

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しっかりと対策をして安全運転を心がけていても、やはり「雨の日の運転に不安を感じる」という方は多いのではないでしょうか。

雨の日の運転に備えるなら、濡れた路面でも安全に止まり、スムーズに曲がることができる「ウェット性能」に優れたタイヤの装着がおすすめです。

また、雪道や凍結路に適したスタッドレスタイヤ(冬タイヤ)は、雨で濡れた路面の走行にも適していると思われがちですが、そうではありません。
スタッドレスタイヤは、サマータイヤ(夏タイヤ・ノーマルタイヤ)に比べてゴムが柔らかくなっており、雪や氷の上でのグリップ力や排水性を高められるように設計されています。

雨で濡れた路面の走行に最適化されているわけではないため、雨の日に適したタイヤを選ぶなら、ウェット性能が十分かどうかをチェックしましょう。

ブリヂストンでは、ウェット性能に優れたタイヤとして「Playz(プレイズ)」ブランドや、「CHRONICLE RV(クロニクル アールブイ)」を展開しています。

「Playz」は、濡れた路面でもしっかり曲がる・止まるを追求し、安定した走行をサポートしてくれるタイヤブランドです。
オンラインストア限定商品として、セダン専用設計の「Playz PX-II(プレイズ ピーエックスツー)」があります。

また、ミニバン専用設計のオンラインストア限定商品「CHRONICLE RV」は、走行時のふらつきに配慮しており、高い低燃費性能とウェット性能も兼ね備えたタイヤです。

雨の日のタイヤの性能を高めるコツ

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雨の日のタイヤ性能を高めるためには、押さえておきたいコツがあります。
その具体的な方法について詳しく説明します。

新品のタイヤは晴れた日に慣らし走行をしよう

新品のタイヤは、表面にワックスなどが塗られている場合があり、これが原因で雨の日に滑りやすくなることがあります。

新品のタイヤを装着したら、必ず晴れた日に慣らし走行を行いましょう。
サマータイヤは80km/h以下の速度で100km以上、スタッドレスタイヤは60km/h以下の速度で200km以上の慣らし走行をすると、タイヤの表皮が剥がれ、本来のグリップ性能が発揮されるようになります。

タイヤの定期点検を行う

前述の通り、タイヤの残り溝の深さや空気圧が不足していると、ハイドロプレーニング現象の発生リスクが高まります。

雨の日でも安心で快適な走行ができるように、タイヤの定期点検を行い、適切な状態を保つようにしましょう。

タイヤ交換の残り溝について
詳しい記事はこちら

雨の日はハイドロプレーニング現象に注意して運転しよう

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雨の日は路面が濡れて滑りやすい状態になっているため、タイヤの残り溝が少なくなっていたり、空気圧が不足していたりすると、ハイドロプレーニング現象のリスクが高まります。

ハイドロプレーニング現象が発生すると、突然ハンドルもブレーキも効かなくなる場合があるため、事前に原因と対処法を知り、万が一のときも落ち着いて対処することが大切です。

雨の日にもタイヤ本来の性能を維持するには、走行前の日常点検はもちろん、月に一度はタイヤ販売店などでタイヤの定期点検を受けることをおすすめします。
さらに、雨の日の運転に不安がある方は、ウェット性能に優れたタイヤを装着すると良いでしょう。

ブリヂストン タイヤオンラインストアでは、ウェット性能に優れたタイヤとして「Playz」ブランドや「CHRONICLE RV」を取り揃えています。
雨の日でもより安心してドライブを楽しみたいという方は、ぜひブリヂストン タイヤオンラインストアをご利用ください。