冬の道路を安全に走行するために欠かせないスタッドレスタイヤ(冬タイヤ)は、雪道や凍結路でのグリップ力を高める特別な設計により、滑りにくく安定した走りをサポートします。
雪が降らなくても路面は凍結することがあるため、積雪の有無に関わらず、冬はスタッドレスタイヤに履き替えましょう。
この記事では、スタッドレスタイヤの特徴や性能、価格や選び方について解説します。
ブリヂストンが展開するおすすめのスタッドレスタイヤも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
スタッドレスタイヤとは
スタッドレスタイヤとは、雪道や凍結路で滑らず、安全に走るために開発された冬用のタイヤのことです。「スノータイヤ」「ウィンタータイヤ」と呼ばれることもあります。
サマータイヤ(夏タイヤ・ノーマルタイヤ)に比べて、ゴムの素材やトレッドパタンが異なり、低温でも硬化しにくいため氷や雪の上で高いグリップ力を発揮するのが特徴です。
スタッドレスタイヤ以外の冬向けのタイヤには、以下の種類があります。
- スパイクタイヤ:タイヤの表面に鋲(スタッド)を打ち込んだタイヤ
- オールシーズンタイヤ:雪上性能を確保し、突然の雪にも備えられるタイプのタイヤ
ただし、スパイクタイヤは路面のアスファルトが削られて道路が傷つき、粉塵が発生することが問題となり、平成3年以降は原則禁止となりました。
また、オールシーズンタイヤは突然の降雪に備えることはできますが、凍結路面や過酷な積雪路面の走行には適していません。
そのため、冬に凍結や積雪が発生する可能性がある地域にお住まいの方や、凍結路面や積雪路面の走行を予定している方はスタッドレスタイヤを装着しましょう。
スタッドレスタイヤの特徴は?
スタッドレスタイヤには、以下のような特徴があります。
- 冬の積雪・凍結した路面でも安定した走行ができる
- 低温でもゴムが柔らかいため滑りにくい
- 燃費が悪くなりやすい
- 乗り心地が変わる場合がある
冬の路面でタイヤが滑る原因は、路面にできる水膜がタイヤと路面の密着を妨げ、タイヤが浮いてしまうことにあります。
これを解消するために、スタッドレスタイヤは低温でも柔らかさを保つ特殊なゴムが採用されており、柔らかいゴムが路面の水膜を取り除き密着させることによって、タイヤが滑るのを防いでいます。
スキーやスノーボードでブレーキをかけるときにエッジを使うような働きをすることを「エッジ効果」と呼びますが、タイヤが路面と密着していることでこれと同様の作用がタイヤでも起こるため、冬の積雪・凍結路面でも安定した走行が可能となります。
ただし、スタッドレスタイヤで乾いた路面や雨に濡れた路面を走行する場合、サマータイヤより燃費が悪くなりやすいため注意しなければなりません。
また、スタッドレスタイヤに履き替えた後は乗り心地が変わる場合もあります。
スタッドレスタイヤには、冬の路面を安定して走行できる雪上・氷上性能が高いものはもちろんのこと、燃費性能やドライ性能を高めたものなど様々な種類があるため、自分に合ったスタッドレスタイヤを選ぶことが大切です。
スタッドレスタイヤとサマータイヤの違いや見分け方は?
積雪・凍結路面で性能を発揮するスタッドレスタイヤと乾燥・湿潤路面で性能を発揮するサマータイヤには、以下のような違いがあります。
スタッドレスタイヤとサマータイヤを比べると、前述の通りスタッドレスタイヤの方が、凍った路面の凹凸により密着させるためにゴムが柔らかく設計されているのに加え、雪をしっかりつかむために溝が太くて深くなっています。
さらに、スタッドレスタイヤはサイプと呼ばれるギザギザの切り込みがたくさんあるのが特徴です。
サマータイヤの溝は、路面とタイヤの間の水を溝から逃がすことで、タイヤが路面にしっかりと接触し、グリップ力を発揮させることを目的に設けられています。
一方で、スタッドレスタイヤの溝には、排水性能に加えて、雪や氷の上でしっかりグリップ力を発揮することが求められるため、凍結路面では、これらの多くの溝の角で氷を引っ掻くことによってグリップ力を高めています。
また、以下のように、スタッドレスタイヤにはタイヤのサイドウォールに「STUDLESS」の刻印があります。
スタッドレスタイヤの寿命や交換・履き替えのタイミングは?
スタッドレスタイヤはゴム製品なので、時間が経つにつれて特性が変化します。
ブリヂストンでは、使用開始後5年以上経過したタイヤの交換を推奨していますが、スタッドレスタイヤの寿命はもう少し短くなることを覚えておきましょう。
スタッドレスタイヤの寿命を知らせるサインは、以下の2つです。
- 残り溝1.6mmを知らせるスリップサイン
- 50%摩耗の目安を知らせるプラットホーム
また、50%以上溝が残っていたとしても、以下のような場合は速やかにタイヤ交換を行ってください。
- トレッド面(接地部)にひび割れがある
- 偏摩耗がある
また、サマータイヤからスタッドレスタイヤに履き替えるタイミングは「初雪日の約1ヶ月前」、スタッドレスタイヤからサマータイヤへの履き替えは「霜・雪・結氷の終日」を目安にしましょう。
初雪日、霜・雪・結氷の終日がいつなのかは、気象庁が発表している情報を確認してください。
また、初雪の日はタイヤ交換が非常に混み合う傾向にあるため、タイヤの履き替えはシーズン前に早めに行っておくのがおすすめです。
詳しい記事はこちら
スタッドレスタイヤを使うときの注意点
スタッドレスタイヤを装着して走行する際は、以下の点に注意しましょう。
新品のスタッドレスタイヤへ交換した際は慣らし走行を行う
新品のスタッドレスタイヤは、タイヤの表皮にワックスなどが塗られている場合があり、本来のグリップ力が発揮できないことがあります。
そのままの状態のタイヤで走行すると滑りやすいため、タイヤの購入は本格的なシーズンを迎える前に行い、慣らし走行を済ませておくのがおすすめです。
慣らし走行は、60km/h以下の速度で200km以上行ってください。
チェーン規制が行われた場合はスタッドレスタイヤのみで走行しない
高速道路などでチェーン規制が発令されると、スタッドレスタイヤのみの装着では対象区間を通ることができません。また、スタッドレスタイヤを装着していたとしても、重度な積雪や凍結の場合はタイヤチェーンを装着して走行するのが望ましいです。
積雪が多い地域の方や高速道路を走行する機会の多い方は、スタッドレスタイヤだけではなくタイヤチェーンも備えておき、必要に応じて併用するようにしましょう。
詳しい記事はこちら
夏には装着しない
近年のスタッドレスタイヤは、乾いた路面でも静粛性が高く、乗り心地も良く改良されているものも多いです。
しかし、スタッドレスタイヤは積雪・凍結路面での走行性能を重視して設計されたタイヤのため、乾燥・湿潤した路面で使用すると、サマータイヤに比べて制動距離が長くなる傾向にあります。
さらに、前述の通り、スタッドレスタイヤはサマータイヤに比べてゴムが柔らかいため、夏に使用すると摩耗しやすく、冬に本来の性能を発揮できなくなる可能性もあります。
そのため、霜・雪・結氷の終日を目安にサマータイヤへの履き替えを行い、交換したスタッドレスタイヤは冷暗所で保管して、ゴムの劣化を防ぎましょう。
スタッドレスタイヤの性能を引き出す運転のコツ
スタッドレスタイヤを装着したとしても、絶対に冬の路面が滑らないというわけではありません。
冬道での走行は、以下のポイントを押さえて安全運転を心がけましょう。
- 急発進や急ブレーキを避ける
- スピードを落とし車間距離を保つ
- 坂道に気を付ける
- 道路標識に注意する
- 駐車時にも注意する
- スタックに気を付ける
また、スタッドレスタイヤが走行性能を発揮するには、空気圧を適切に保つ必要があります。
タイヤの空気圧は自然と低下するため、定期的に点検を行い、適正な空気圧を維持してください。
スタッドレスタイヤの価格はいくら?
ここでは、ブリヂストン タイヤオンラインストアで購入できるスタッドレスタイヤの価格の一例を紹介します。
【セダン・ミニバン向け】
商品名 |
|
|
---|---|---|
サイズ | ||
価格(1本) |
※会員価格の場合 |
※会員価格の場合 |
価格(4本) |
※会員価格の場合 |
※会員価格の場合 |
【SUV向け】
商品名 |
|
※SUV専用設計タイヤ |
---|---|---|
サイズ |
|
|
価格(1本) |
※会員価格の場合 |
※会員価格の場合 |
価格(4本) |
※会員価格の場合 |
※会員価格の場合 |
ブリヂストン タイヤオンラインストアで無料の会員登録をすれば「会員特別価格」で購入することができます。
さらに、ブリヂストン タイヤオンラインストアで表示されているタイヤの価格には、以下が含まれています。
- 取付工賃
- サイズ間違い保証:万が一タイヤのサイズを間違えて購入してしまっても、無料で返品・交換ができる
- パンク補償:タイヤがパンクしてしまった際に、購入後60日以内であれば、パンクしたタイヤ1本の交換が無料でできる
※パンク補償には有償プランもございます。(補償期間:2年間 補償本数:2本)
スタッドレスタイヤの選び方
スタッドレスタイヤは、以下の3つを押さえて選びましょう。
- 車両メーカーが指定しているタイヤサイズに合ったものを選ぶ
- 使用する地域や走行環境に合わせて選ぶ
- 口コミを参考にする
ひとことで冬道といっても、凍結路面や圧雪された路面、シャーベット状の雪道など、路面の状態によってスタッドレスタイヤに必要な性能は異なります。
そのため、使用する地域や走行環境に合わせて、雪上性能や氷上性能を始め、ウェット性能やドライ性能などもチェックしましょう。
また、スタッドレスタイヤを購入する場合は、ホイールとセットで購入するのがおすすめです。
ホイールとセットのスタッドレスタイヤは、ホイールごと交換するだけなので、自分で交換することも可能です。さらに、使用しない夏の間も、ホイールとセットの方が型崩れしにくく、ゴミや水分の付着を防ぎながら保管できるというメリットがあります。
詳しい記事はこちら
おすすめのスタッドレスタイヤ
「BLIZZAK(ブリザック)」は、高い氷雪上性能で、冬道のドライブの安全性を高めてきたブリヂストンのスタッドレスタイヤです。
ここからは、ブリヂストンが取り扱うBLIZZAKのおすすめタイヤを3つ紹介します。
BLIZZAK VRX3
「BLIZZAK VRX3(ブリザック ヴイアールエックススリー)」は、ブリザック史上最高性能を搭載したスタッドレスタイヤです。
ブリザックシリーズの中でも、フレキシブル発泡ゴムと新トレッドパタンの採用により、特に氷上ブレーキ性能に優れています。
さらに、摩耗ライフ性能やグリップ力の低下を抑える効き持ちも向上させており、長く使用できるのも魅力です。
軽自動車からコンパクトカー、ミニバンやSUVに至るまで、幅広い車種に対応しています。
BLIZZAK VRX2
「BLIZZAK VRX2(ブリザック ヴイアールエックスツー)」は、「アクティブ発泡ゴム2」と「非対称パタン」により、様々な冬道での「しっかり止まる、曲がる」を実現したスタッドレスタイヤです。
さらに、内側(INSIDE)と外側(OUTSIDE)のサイド形状が異なる「非対称サイド形状」の採用により、ふらつきの軽減と高い直進安定性・応答性を実現しており、氷雪路だけでなく、乾いた路面での走行でも安心感のある走行をお楽しみいただけます。
BLIZZAK DM-V3
「BLIZZAK DM-V3(ブリザック ディーエム ブイスリー)」は、SUV専用のスタッドレスタイヤです。
表面素材には「BLIZZAK VRX2」と同じ「アクティブ発泡ゴム2」を採用しており、高いグリップ力を発揮します。
さらに、剛性を向上させたブロックと、溝を適正配置した「SUV専用パタン」によって「しっかり止まる、曲がる」を実現し、SUVでの冬道の快適な走行をサポートします。
スタッドレスタイヤで冬も安全にドライブしよう
冬のドライブを安全かつ快適に楽しむには、積雪・凍結路面でのグリップ力に優れ、滑りにくいスタッドレスタイヤを装着して走行しましょう。
スタッドレスタイヤを使用する際は、寿命や交換のタイミング、装着時の注意点などをしっかりと押さえておくのがポイントです。
また、スタッドレスタイヤを装着しても過信しすぎず、十分に安全運転に気を付けて走行しましょう。
ブリヂストンでは、スタッドレスタイヤとして「BLIZZAK(ブリザック)」ブランドを取り扱っており、タイヤ単体での購入やホイールとのセット購入など、お好みに合わせてお選びいただけます。
さらに、ブリヂストン タイヤオンラインストアでタイヤを購入すれば、タイヤの取付作業は全国にあるブリヂストン認定店舗「B-select」で行うため、作業品質についても安心です。
※「B-select」とは、ブリヂストンのタイヤ専門店「コクピット」「タイヤ館」「ミスタータイヤマン」「ブリヂストンタイヤショップ」の中でも、高い接客・作業品質を保つ店舗のネットワークです。
スタッドレスタイヤのご購入をお考えなら、ぜひブリヂストン タイヤオンラインストアをご利用ください。