雪道や凍結した道路の走行時に使用するスタッドレスタイヤは、サマータイヤと比較して、寿命が短いといわれています。
「交換のタイミングはどうやって分かるの?」「長持ちさせる方法はないの?」など、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、スタッドレスタイヤの寿命の見分け方や長持ちさせるためのポイントについて解説します。
スタッドレスタイヤの寿命とは?
まずは、スタッドレスタイヤの寿命について理解するため、スタッドレスタイヤの性能や適切な使用期間について説明します。
スタッドレスタイヤの性能
スタッドレスタイヤとは、雪道や凍結路で滑りにくいように設計されたタイヤのことです。
サマータイヤよりもゴムが柔らかいため、凍った路面の凹凸により密着することができ、太くて深い溝には、雪をしっかり掴む働きがあります。
また、スタッドレスタイヤにはサイプと呼ばれるギザギザの切り込みがたくさんあり、これらが雪や氷を引っ掻くことで、グリップ力を増しています。
スタッドレスタイヤの適切な使用期間
タイヤはゴム製品なので、ゴムの特性が経時劣化するのに伴い、タイヤの特性も変化します。
使用開始後5年以上経過したタイヤは、タイヤ販売店などで点検を受ける必要があるのですが、スタッドレスタイヤの寿命はそれよりも短くなります。タイヤがすり減り、残っている溝が浅くなることでスタッドレスタイヤとしての性能が低下するためです。
また、タイヤは使用期間が長くなるにつれて徐々にゴムが硬くなっていきます。
スタッドレスタイヤが滑りにくいのは、柔らかいゴムが路面に密着するからです。たとえ溝の深さが50%以上残っていたとしても、ゴムが硬くなったら十分な性能は得られなくなります。
硬度計のあるお店でチェックしてもらいましょう。
日常点検でできるスタッドレスタイヤの寿命の見分け方は次章で解説します。
スタッドレスタイヤの寿命の見分け方
スタッドレスタイヤの寿命と交換目安は、2つのポイントによって見分けることができます。- 残り溝1.6mmを知らせるスリップサイン
- 50%摩耗の目安を知らせるプラットホーム
スリップサインとは、残っている溝の深さが1.6mmになると現れる三角マークのことです。
※実際の商品でのスリップサインの位置は三角マークの延長線上の位置から多少ずれる場合があります。なお、この画像はサマータイヤを例としています。
スリップサインは、法律で定められたタイヤの寿命です。
スリップサインが出ているタイヤを装着すると整備不良車両になり、制動装置などの整備不良として交通違反で2点の加点と6,000円〜12,000円の反則金が科せられるので注意しましょう。
また、スタッドレスタイヤには、スリップサインのほかにプラットホームと呼ばれる交換目安になるサインがあります。
ブロックの間にギザギザが刻まれた突起が配置されているので、この突起の高さがブロックに近づいたら、タイヤ交換の目安としてください。新品時から溝の深さが50%以下まで摩耗すると、氷雪路でのグリップ性能が大きく低下してしまうため、ブリヂストンでは50%の摩耗を目安にスタッドレスタイヤの交換をおすすめしています。
さらに、溝が50%以上残っていたとしても、以下のような場合はタイヤ交換が必要です。
- トレッド面(接地部)にひび割れがある
- 偏摩耗がある
上記の写真のように、ひび割れがタイヤ内部のコードに達している場合は、速やかに交換してください。
偏摩耗は、タイヤが不均一に摩耗してしまう現象です。ブレーキ性能が正しく発揮できなくなるため危険です。
雪道や凍結した道路を走行する前には、スタッドレスタイヤの状態を目視で確認する習慣をつけましょう。
スタッドレスタイヤを長持ちさせるためのポイント
ここからは、スタッドレスタイヤを長持ちさせるために重要となる保管方法とタイヤ点検について説明します。
正しい保管方法
スタッドレスタイヤを保管する際は、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
ポイント①タイヤの保管場所
タイヤのゴムは、紫外線やオゾン、油類によって劣化してしまうため、これらを避けて保管することが大切です。
具体的には、以下の5つを避けて保管することを心がけてください。
- 直射日光
- 雨や水
- 油類
- ストーブなどの熱源
- 電気火花の出る装置
ポイント②タイヤの空気圧
スタッドレスタイヤの空気圧は、夏の保管中にも自然に減少していきます。
空気圧が不足しているタイヤを使用すると、走行中にタイヤが変形してしまい、摩耗しやすくなるのでタイヤ寿命が縮んでしまうのです。
クルマの運転席側のドア付近に書かれている適正空気圧を確認し、適正な空気圧を維持するようにしましょう。ガソリンスタンドやタイヤ専門店などでも空気圧の点検・補充をしてもらえますので、店舗に行ってみてはいかがでしょうか。
ポイント③タイヤの置き方
タイヤは、必ず平置きで保管してください。
縦置きで保管してしまうと、ホイールの重さによってタイヤの接地部分が変形してしまう恐れがあります。
タイヤ点検の重要性
タイヤは日常的に点検することをおすすめします。
タイヤを適正な状態に保つことで、タイヤの痛みを抑えることができるからです。
日常的なタイヤの点検では、以下の6つのポイントをチェックしましょう。
- 空気圧は適正か
- 溝は充分に残っているか
- 偏摩耗していないか
- 傷はないか
- ひび割れしていないか
- サイド部が膨らんでいないか※
※タイヤ側面が局部的に膨らんでいる場合、タイヤ内部のコードが切れている可能性があります。
特にサイドの膨らみは危険な状況なので、直ちにタイヤ専門店などにご連絡ください。
また、タイヤだけではなく、車両のメンテナンスもタイヤを適正に使うために必要となります。
タイヤの摩耗を均一にするためのアライメント調整も行いましょう。
アライメントとは、タイヤの取付角度のズレとバランスの修正を行うことです。
タイヤは道路条件や使用条件などにより、トレッド面(接地部)が部分的に摩耗することで偏摩耗が発生します。
アライメントは偏摩耗を防ぐ方法としても有効な手段です。ブリヂストン タイヤオンラインストアでは、タイヤ購入の際にオプションで「アライメント測定・調整」を追加することができます。
タイヤの溝診断をしよう!
前章で紹介したように、スタッドレスタイヤの寿命は、残り溝の深さが一つの判断基準となります。
しかし、残り溝が50%あるかどうかを自分で見極めるのは難しいうえ、店舗までタイヤを持っていってプロに見てもらうのも手間に感じる方が多いかもしれません。
そこでおすすめしたいのが、ブリヂストンの「スマホで簡単!タイヤの溝チェック!」です。乗用車用タイヤのトレッド面(接地部)をスマートフォンで撮影し、その画像をウェブサイト上で、AIが摩耗状況を診断し結果を表示するものです。
そこでおすすめしたいのが、ブリヂストンの「スマホで簡単!タイヤの溝チェック!」です。乗用車用タイヤのトレッド面(接地部)をスマートフォンで撮影し、その画像をウェブサイト上で、AIが摩耗状況を診断し結果を表示するものです。
診断結果に基づいてタイヤの相談ができるよう、店舗の事前予約サービスにも対応しています。ご自宅でも簡単にできるので、ぜひご活用ください。
※スマートフォンでご利用いただけます。
※本サービスは、お客様がスマートフォンで撮影された画像のみで簡易的にAIが診断を行うため、この判定が安全な走行を前提とした継続使用の可否、交換の必要性を、必ずしも保証するものではございません。診断後、タイヤ販売店での点検をお勧め致します。
※本サービスは、ウェブサイト上のサービスであり、随時通信料が発生します。
スタッドレスタイヤの購入・交換はブリヂストン タイヤオンラインストアで
スタッドレスタイヤは、新品時から50%摩耗すると、雪道や凍結した道路でのグリップ性能が大きく低下してしまいます。
快適で安全な走行のためにも、日常点検とタイヤ交換が必要です。
スタッドレスタイヤの買い替えの際におすすめしたいのは、ブリヂストン タイヤオンラインストアです。
会員登録をすれば「会員特別価格」にて購入することができるうえ、タイヤ購入から取付作業予約まで一括で完了できます。
ブリヂストン タイヤオンラインストアで展開しているスタッドレスタイヤは、「BLIZZAK(ブリザック)」ブランドです。スタッドレスタイヤのご購入を検討している方は、ぜひご活用ください。