タイヤのエアバルブは、タイヤの空気圧を保つための重要な部品です。劣化や破損に気づかず放置してしまうと、空気漏れやバーストの原因になることもあります。

この記事では、エアバルブの種類や役割、交換のタイミングについて紹介します。

タイヤのエアバルブとは?

クエスチョンマークの画像

エアバルブとは、タイヤの内部に空気を出し入れするための出入口で、ホイールの外側に突き出すように取り付けられています。

見た目は小さな部品ですが、タイヤの空気圧を適切に保つという非常に重要な役割を果たしており、安全走行に直結する部品の一つです。

エアバルブ構造の画像

エアバルブは、主に以下の部品で構成されています。

バルブステム ホイール(リム)に固定され、タイヤ内部と外部をつなぐ部品
バルブコア 空気の逆流を防ぎ、空気圧を保持する部品
バルブキャップ よりしっかりと密閉する役目を果たす部品
リム タイヤを保持し、バルブステムを固定するホイールの一部
リップ タイヤとリムの間に密着し、タイヤ内部の空気を保持する部品
ゴム バルブステムの一部として、リムとの密着性を高め、空気漏れを防ぐ部品
シール面 バルブステムやバルブコアとリムとの接合部分において、気密性を保つ部品

エアバルブの劣化や損傷は、空気圧の低下やタイヤのバーストなど重大なトラブルを引き起こす可能性があります。

タイヤ交換時にはエアバルブの状態も合わせて点検することが大切です。

エアバルブの種類

ヘッドライトの写真

タイヤのエアバルブには、主に以下の2種類があります。

エアバルブの種類の画像

それぞれに特徴と注意点があるため、使用環境や車種、点検のしやすさなどを考慮して、自分に合ったものを選びましょう。

ゴム製のエアバルブ

ゴム製のエアバルブは、「スナップインバルブ」とも呼ばれ、乗用車の純正ホイールに多く採用されている一般的なタイプです。

本体が柔軟なゴム素材で作られているため、縁石への接触などの軽微な衝撃にもある程度耐える構造になっています。

一方で、ゴムは紫外線や熱の影響を受けやすく、劣化によるひび割れや硬化が起こりやすくなります。劣化したエアバルブは空気漏れの原因となるため、定期的な交換が必要です。

金属製のエアバルブ

金属製のエアバルブは「クランプインバルブ」とも呼ばれ、カスタムホイールや高級ホイールなどに多く使われています。
耐久性や耐圧性、耐熱性に優れているのが特徴で、見た目もスタイリッシュなため、ドレスアップパーツとしての役割も果たします。

ただし、金属製ゆえに衝撃を受けると曲がったり破損したりするリスクがあり、装着時にはナットでしっかりと締付ける必要があります。
長期間使用していると走行中の振動でナットが緩むこともあるため、定期的な点検を行うことをおすすめします。

エアバルブの交換頻度

ヘッドライトの写真

ゴム製のエアバルブ(スナップインバルブ)は、2〜3年ごとの交換が目安とされています。

紫外線や雨風、温度変化などの影響を受けやすいため、特に過酷な環境で使用する場合は、より短いスパンでの点検が必要です。

エアバルブの写真

一方で、金属製のエアバルブ(クランプインバルブ)は、ゴム製に比べて耐久性が高くなっています。
ただし、エア漏れを防ぐゴムパッキン部分は消耗品であり、経年劣化により密閉性が低下するため、やはり2〜3年ごとの点検・交換が必要となるでしょう。

外観に異常がなくても内部の劣化は進行している場合があるため、見た目だけで判断せず、タイヤ交換時にエアバルブも交換するのが効率的です。
特に、高速走行が多い方や長距離運転をされる方は、こまめな点検を行いましょう。

エアバルブの交換費用

”ドルマークの画像"

エアバルブの交換は、主に以下の5つの業者に依頼できます。
料金や対応可能なサービスは店舗ごとに異なるため、事前に確認するのが安心です。

業者・店舗 特徴
自動車販売店・ディーラー クルマを販売する店舗。純正のパーツを取り扱い、タイヤ交換をはじめとした点検を請け負う。
タイヤ専門店 タイヤを専門に取り扱う店舗。タイヤメーカーの系列店舗と、メーカーを問わず幅広く取り扱う店舗がある。
カー用品店 カー用品を販売する店舗。メーカー純正以外にも幅広いパーツを取り扱い、タイヤ交換やエンジンオイルの交換などの点検も行う。
ガソリンスタンド ガソリンを販売する店舗。タイヤ交換や空気圧点検など、日常的な点検を請け負う。
自動車整備工場 クルマの整備を行う工場。特定のメーカーに限らず、幅広い車種のタイヤ交換などの点検を行う。

店舗によっては、タイヤ交換時にエアバルブも同時に交換することで、部品代+取付工賃を抑えられるケースもあります。

ブリヂストンが展開する「B-select」加入店では、タイヤの組み替え作業と一緒にエアバルブ交換をお受けしています。
組み替え作業工賃+バランス作業工賃に加え、1本あたり440〜550円程度でエアバルブの交換が可能※です。

※店舗によってサービスや料金が異なる場合があります。

エアバルブの交換は自分でもできる?

エアバルブの写真

「エアバルブだけなら自分で交換できそう」と考える方もいるかもしれません。
確かに、エアバルブの部品はネット通販やカー用品店などで手に入れることができ、自力での交換に挑戦することも不可能ではありません。

しかし、エアバルブを交換するには、タイヤをホイールから完全に外す必要があり、専用の工具や設備、正しい知識と技術が求められます。

また、ホイールからタイヤを脱着した後はホイールバランスの再調整が必要です。作業を誤ると、タイヤの空気漏れやビード周辺の損傷、走行中のバーストなど重大な事故につながるリスクを伴うため、プロに依頼して安全かつ確実に交換した方が安心です。

参考として、一般的なエアバルブ交換作業の流れを紹介します。

作業手順

  1. ジャッキで車体を上げて、タイヤを取り外す
  2. タイヤとホイールにつながっているビードを落とす
  3. ホイールからタイヤを取り外す
  4. ホイールに装着されている古いエアバルブを外し、新しいエアバルブに交換する
  5. タイヤとホイールを組み付け、バランス取りを行い、車体に取り付ける

手順を見ると一見シンプルに見えますが、専用の工具や機器、技術がなければ難しい作業です。
個人が自宅で対応するのは難易度が高く、費用対効果もあまり良くありません。

安全性と確実性を優先し、信頼できる整備工場やタイヤ専門店に依頼することをおすすめします。

エアバルブの交換をしないリスク

クルマの写真

エアバルブは小さな部品ですが、タイヤの空気圧を維持するために非常に重要な役割を果たしています。
劣化したまま放置すると、様々なリスクが生じ、クルマの性能や安全性に大きな影響をおよぼすことがあります。

ここでは、エアバルブを交換しないことで起こりうる主なリスクを3つ紹介します。

燃費悪化

エアバルブが劣化すると、わずかな隙間から空気が少しずつ漏れてしまい、タイヤの空気圧が低下していきます。

空気圧が不足するとタイヤの転がり抵抗が増し、エンジンに無駄な負荷がかかるため、燃費が悪化するリスクがあります。

走行性能の低下

空気圧が適正でないと、タイヤは本来のグリップ力や安定性を発揮できず、コーナリング時のふらつきや制動距離の延長など、走行性能全体が低下します。

特に空気圧が低い場合、車体をしっかり支えられず、タイヤが変形しやすくなることで、内部に過度な負担がかかり、空気漏れやパンク、最悪の場合はバーストを引き起こすリスクもあります。

走行中にタイヤがバーストすると、車両をコントロールできなくなり、非常に危険です。

偏摩耗

空気圧不足の状態で走行を続けると、タイヤのセンター部がへこみ、サイド部分だけが地面と接触するようになります。
この状態が続くとタイヤの特定部位が早く摩耗する「偏摩耗」が進行し、タイヤの使用年数を縮める原因になるでしょう。

摩耗した部分が原因で、雨天時にスリップしやすくなるなど、走行中の危険性も高まります。

タイヤの片減りについて
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エアバルブの交換はプロにお任せください

タイヤ交換の写真

タイヤのエアバルブ交換は、走行中の安全性を保つためにも、確かな技術を持ったプロに依頼するのが安心です。

ブリヂストンが認定する「B-select※」加入店は、全国に800店舗以上を展開しており、信頼性の高いタイヤサービスを提供しています。
エアバルブの交換のほか、空気圧、残り溝、ひび・傷、偏摩耗の4項目による無料のタイヤ点検や、クルマの状態に沿ったオプションサービスの提案も行っております。

エアバルブの状態はもちろん、タイヤ全体のコンディションを総合的にサポートするのが特徴です。

各店舗には、タイヤに関する豊富な知識を持つスタッフが在籍していますので、「最近、空気が抜けやすい気がする」「タイヤ交換と一緒にバルブも点検したい」など、ちょっとしたお悩みでも気軽にご相談ください。

※「B-select」とは、ブリヂストンのタイヤ専門店「コクピット」「タイヤ館」「ミスタータイヤマン」「ブリヂストンタイヤショップ」の中でも、高い接客・作業品質を保つ店舗のネットワークです。

定期的にエアバルブを点検して安全なカーライフを楽しもう

”クルマの写真"

エアバルブは、タイヤの空気圧を保つ役割を持ち、走行性能や燃費、安全性に大きく関わる重要な部品です。

劣化や破損に気づかずに放置すると、偏摩耗やバーストといった重大なトラブルにつながるリスクがあるため、定期的な点検をおすすめします。

もし、タイヤの交換時期が近づいている場合は、エアバルブの状態も同時にチェックしましょう。
また、タイヤ交換の際には、ブリヂストン タイヤオンラインストアをぜひご活用ください。

タイヤの購入から取付作業予約までをオンラインで完結できるので、忙しい方にもおすすめです。
取付作業は全国のB-select加入店で行い、経験豊富なスタッフがタイヤ交換やエアバルブの点検にも対応しています。

安全・快適なカーライフのために、エアバルブの点検を習慣にしてはいかがでしょうか。