クルマのタイヤには、速度性能を示す「速度記号(スピードレンジ)」が必ず刻まれています。
速度記号は、タイヤを安全に使用できる最高速度を表す重要な指標で、選び方を誤ると走行中のトラブルや事故の原因になりかねません。
この記事では、タイヤの速度記号の意味や見方、速度記号に合わせたタイヤの選び方を紹介します。
タイヤの速度記号(スピードレンジ)とは?
タイヤの速度記号(スピードレンジ)とは、1本のタイヤが規定の条件下で安全に使用できる最高速度をアルファベットで記載された記号です。
例えば、「Q」は160km/h、「S」は180km/h、「H」は210km/hなど、記号ごとに上限速度が決められています。
速度記号と合わせて覚えておきたいのがロードインデックス(荷重指数)です。ロードインデックスとは、1本のタイヤが支えることのできる最大荷重(重さ)を数値で表したものです。
速度記号とロードインデックスを合わせて確認することで、自分のクルマのタイヤが高速道路や長距離走行でどの程度の速度・重さまで対応できるかが分かります。
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タイヤの速度記号(スピードレンジ)の記載箇所と見方
続いては、タイヤの速度記号(スピードレンジ)の記載箇所と正しい見方を説明します。
速度記号(スピードレンジ)の記載箇所
速度記号は、サイドウォールと呼ばれるタイヤの側面に刻印されており、通常はタイヤサイズやロードインデックスと並んで、一番右にアルファベットで示されています。
例えば「215/45R18 93W」と表記されている場合、最後の「W」が速度記号です。タイヤ交換や購入時は、クルマの取扱説明書やタイヤの側面に記載された純正タイヤの速度記号とロードインデックスを確認し、同等かそれ以上のものを選ぶことが重要です。
特に中古車を購入した場合、装着されているタイヤがメーカー推奨品とは限らないため、クルマの取扱説明書で純正タイヤのスペックを必ず確認することをおすすめします。
速度記号一覧
| 速度記号 | L | N | Q | R | S | T | H | V | W | Y | ZR ※1 |
(Y) ※2 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 最高速度 (km/h) |
120 | 140 | 160 | 170 | 180 | 190 | 210 | 240 | 270 | 300 | 240超 | 300超 |
※1 ZRは速度カテゴリーを意味し、最高速度が240km/hを超えるタイヤであることを示す。
※2 最高速度が300km/hを超えるタイヤは、速度カテゴリー「ZR」に加え、ロードインデックス及び速度記号Yをカッコ書きにて表記する。例)245/40ZR19(94Y)
例えば、速度記号が「W」の場合、そのタイヤは規定条件下で最高速度270km/hまでの走行が可能です。
記号が示す最高速度を超えて走行すると、タイヤの内部構造が限界に達し、破損やバーストといった重大な事故につながる危険性があります。
自分の車種に合う速度記号(スピードレンジ)の選び方と注意点
速度記号(スピードレンジ)は、自動車メーカーが推奨する基準をもとに選ぶことが大切です。
また、車種ごとの違いや、誤った選び方をした場合のリスクを知っておくと、より安心してタイヤ選びができるようになるでしょう。
ここでは、車種に応じた速度記号の選び方や、サマータイヤ(夏タイヤ・ノーマルタイヤ)とスタッドレスタイヤ(冬タイヤ)で記号が異なる理由など、タイヤ購入時の注意点を紹介します。
車種に合った速度記号(スピードレンジ)を選ぶ
推奨されるタイヤの速度記号は、普通車・ミニバン・SUV・スポーツカーなど、車種によって異なります。
サマータイヤの場合、車種別の速度記号は以下が目安です。
- コンパクトカー/セダン:S(180km/h)、T(190km/h)
- 車両重量が重いSUV:T(190km/h)以上
- 高性能なスポーツカー:V(km/h)以上
メーカーが指定する速度記号より低いタイヤを装着すると、高速走行時にタイヤが性能の限界を超えてしまい、バーストする危険性が高まるため注意が必要です。
スタッドレスタイヤの速度記号はサマータイヤと異なる
サマータイヤとスタッドレスタイヤは、設計が異なるため、同じ車種でも速度記号が違う場合があります。
雪道や凍結路面でのグリップ力を重視し、柔らかなゴムが採用されているスタッドレスタイヤの場合、速度記号は車種にかかわらず「Q(160km/h)」に設定されているケースが多くなっています。
日本国内の高速道路の法定速度は、大型貨物自動車や大型特殊自動車などを除いて、100〜120km/hと定められています。
そのため、上限速度がQ(160km/h)のスタッドレスタイヤでも、法律で決められた速度で走る限り、タイヤの性能が不足することはないと言えます。
タイヤのことならブリヂストン認定店舗の「B-select」に相談しよう
タイヤ選びは速度記号(スピードレンジ)やロードインデックスだけでなく、タイヤ幅・偏平率・ラジアル構造といった多くの要素を総合的に見て判断する必要があります。
そのため、「結局どれを選べばいいか分からない」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。タイヤ選びに迷った際には、プロに相談するのが安心です。
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速度記号(スピードレンジ)を確認して適したタイヤを装着しよう
タイヤの速度記号は、クルマの安全な走行に欠かせない重要な情報です。
前述の通り、ご自身のクルマに合わない速度記号のタイヤを選ぶと、高速走行時にタイヤがバーストするなどの重大な事故につながる危険性があります。
タイヤを交換する際は、まずご自身のクルマに装着されている純正タイヤの速度記号を確認し、同等以上の性能を持つタイヤを選びましょう。
もしタイヤ選びに迷ったら、専門知識を持つプロに相談するのが安心です。ブリヂストン認定のB-select加入店なら、お客様のクルマに合ったタイヤを丁寧にご提案しますので、お気軽にご相談ください。
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