走行中の違和感や、ふとした日常点検でタイヤに釘が刺さっているのに気づいたとき、「このまま走っても大丈夫なの?」と不安に感じるものです。
釘が刺さった状態で放置すると、少しずつ空気が抜けてパンクやバーストの原因となり、重大な事故につながる恐れがあります。
まずは釘がどの位置に刺さっているか、空気漏れがあるかを確認し、走行可能かどうかを判断することが大切です。
この記事では、タイヤに釘が刺さった際の正しい対処方法や確認ポイント、修理費用の目安について詳しく解説します。
タイヤに釘が刺さったときは?
タイヤに釘が刺さっているのを見つけた場合、焦って抜いてしまうのはやめましょう。
刺さった位置や空気の漏れ具合によって、修理できるかどうかが変わるため、まずは落ち着いて状況を確認してください。
誤った対処をすると、タイヤ内部の構造を傷つけてしまい、修理不能になることもあるため、注意が必要です。
ここでは、タイヤに釘が刺さったときの確認手順と注意点を紹介します。
刺さった部分の確認
はじめに、釘が刺さっている場所を確認します。
タイヤは大きく分けて、下記の4つで構成されています。
- トレッド面(接地部)
- ショルダー部(接地面の外側)
- サイドウォール部(側面)
- ビード部(ホイールとの接合部)
最も多いのがトレッド面に刺さるケースで、この場合は修理が可能なケースもあります。
しかし、ショルダー部やサイドウォール部に釘が刺さっている場合、タイヤの内部構造にまで損傷がおよんでいる可能性が高く、安全性の観点から修理はできません。
無理に修理して使い続けると、走行中にバーストするリスクがあるため、すぐに専門店のスタッフに相談しましょう。
また、すでにタイヤがバーストしている場合や、パンクした状態で走行して変形してしまった場合も、タイヤ交換が必要です。
走行可否の確認
次に、走行できるかどうかを判断します。釘が刺さっていても、空気圧が正常であれば短距離の自走は可能です。
しかし、空気漏れが進行している場合は、無理に走行を続けるとタイヤが変形し、ホイールやサスペンションにも損傷を与える恐れがあります。
自走するのが不安な場合や、走行中に「コトコト」「ゴー」という異音やハンドルのブレを感じた場合は、すぐに停車してロードサービスを呼ぶのが安全です。
スペアタイヤを持っている場合は、安全な場所に移動して交換する方法もあります。
ロードサービスを呼ぶ場合も、できる限り安全な場所にクルマを移動させたうえで、発煙筒や停止表示板を設置し、後続車の安全に配慮しましょう。
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応急処置ができる損傷か確認
最近では、スペアタイヤの代わりに「タイヤパンク応急修理キット」が搭載されているケースも増えています。
修理キットを使えば、一時的に空気漏れを防いで近くの整備工場やガソリンスタンドまで走行することが可能です。
修理キットを使用した場合、走行可能距離の目安は一般的に100km以内とされています。
ただし、この応急処置はあくまで仮修理です。
応急処置後はなるべく早く専門業者に持ち込み、内部まで点検を受けることが大切です。
また、下記のようなケースでは、キットでは対応できません。
- 釘の刺さった穴が4mm以上ある
- トレッド部分以外に損傷がある
- タイヤがバーストしている
釘が刺さったタイヤの修理方法
釘が刺さったのがトレッド面(接地部)であれば、修理が可能な場合もあります。
続いては、釘が刺さったタイヤを修理する方法について、「自分で応急処置する方法」と「専門業者に依頼する方法」の2つに分けて紹介します。
自分で修理する場合
まずは、「タイヤパンク応急修理キット」を使用して修理する方法です。
あくまで応急処置のため、整備工場やタイヤ専門店に行くまでの一時的な対応として行いましょう。
【用意する道具】
- タイヤパンク応急修理キット
- コンプレッサー
- 修理剤
- 注入ホース
- エアバルブコア(予備)
- コア回し
- 速度制限シール
- 取扱説明書
【必要に応じて用意する道具】
- 軍手
- ジャッキ
軍手は手の保護用に、ジャッキはタイヤを一度外して作業する場合に使用します。
タイヤパンク応急修理キットの格納場所は、ラゲッジルームやカーゴルームのリッド(フタ)の下など車種によって異なります。
①安全な場所にクルマを止める
作業を開始する前に、安全な場所へクルマを移動させます。
広い駐車場などの平坦な場所が理想的ですが、やむを得ず道路の端に止める場合には、ハザードランプを点灯させ、後続車に注意を促しましょう。
②MT車は「1」、AT車は「P」にレバーを入れる
作業中に車体が動くと危険です。MT車はギアを「1」に、AT車は「P」にレバーを入れて、サイドブレーキをしっかりとかけます。
エンジンは停止させ、作業中の安全を確保しましょう。
③修理剤をしっかりと振り、エアバルブキャップを外す
タイヤ修理剤は成分が沈殿していることがあるため、使用前にボトルをよく振ります。
その後、注入ホースを修理剤に取り付け、タイヤのエアバルブキャップを外してホースを接続しましょう。
修理剤をタイヤ内部にゆっくりと注入し、全量が入るようにしてください。
④タイヤパンク応急修理キットに付属しているエアバルブコアをはめ込む
タイヤ修理剤を流し込んだら、応急修理キットに付属している新しいエアバルブコアをはめ込みます。コア回しを使ってしっかりと装着しましょう。
緩みがあると空気や修理剤が漏れる可能性があるため、注意が必要です。
⑤コンプレッサーをエアバルブに差し込む
次に、コンプレッサーの電源がオフになっていることを確認し、エアバルブに接続します。
接続したらエンジンをかけ、アクセサリーソケットにコンプレッサーのプラグを差し込みましょう。
⑥クルマの指定空気圧を確認する
運転席ドア内側や給油口付近に記載されたステッカーなどでクルマの指定空気圧を確認し、コンプレッサー電源をオンにして、タイヤ内に空気を注入します。
コンプレッサーのメーターを見ながら指定値まで空気を入れたら電源をオフにしてください。
ホースを外してエアバルブキャップを装着します。
空気圧が上がらないときは、もう一度同じ手順で補充しましょう。
10分以内に指定空気圧まで上がらない場合、タイヤがひどい損傷を受けている可能性があります。応急処置はできないため、ロードサービスに連絡してください。
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⑦速度制限シールを運転席から目につく場所に貼り付ける
応急処置を終えたら、速度制限シールを運転席から見える位置に貼り付けます。
応急修理キットで修理したタイヤは、あくまで一時的に走行できる状態にすぎません。
修理が完了するまでは、速度制限シールを運転席から目につく場所に貼り付けたうえで、80km/h以下で走行する必要があります。
できるだけ早く整備工場やタイヤ専門店で本格的な修理・交換を依頼しましょう。
プロに依頼する場合
タイヤに釘が刺さった場合、修理を依頼できる業者・店舗には、主に以下の5つがあります。
| 業者・店舗 | 特徴 |
|---|---|
| 自動車販売店・ディーラー | クルマを販売する店舗。
純正のパーツを取り扱い、タイヤ交換をはじめとした点検を請け負う。 |
| タイヤ専門店 | タイヤを専門に取り扱う店舗。
タイヤメーカーの系列店舗と、メーカーを問わず幅広く取り扱う店舗がある。 |
| カー用品店 | カー用品を販売する店舗。
メーカー純正以外にも幅広いパーツを取り扱い、タイヤ交換やエンジンオイルの交換などの点検も行う。 |
| ガソリンスタンド | ガソリンを販売する店舗。
タイヤ交換や空気圧点検など、日常的な点検を請け負う。 |
| 自動車整備工場 | クルマの整備を行う工場。
特定のメーカーに限らず、幅広い車種のタイヤ交換などの点検を行う。 |
| 業者・店舗 | 特徴 |
|---|---|
| 自動車販売店 ・ディーラー |
クルマを販売する店舗。
純正のパーツを取り扱い、タイヤ交換をはじめとした点検を請け負う。 |
| タイヤ専門店 | タイヤを専門に取り扱う店舗。
タイヤメーカーの系列店舗と、メーカーを問わず幅広く取り扱う店舗がある。 |
| カー用品店 | カー用品を販売する店舗。
メーカー純正以外にも幅広いパーツを取り扱い、タイヤ交換やエンジンオイルの交換などの点検も行う。 |
| ガソリンスタンド | ガソリンを販売する店舗。
タイヤ交換や空気圧点検など、日常的な点検を請け負う。 |
| 自動車整備工場 | クルマの整備を行う工場。
特定のメーカーに限らず、幅広い車種のタイヤ交換などの点検を行う。 |
費用と修理技術のバランスなどを考慮し、ニーズに合った業者・店舗に修理を依頼しましょう。
修理費用と所要時間の目安
タイヤに釘が刺さった場合の修理費用と所要時間の目安は、以下の通りです。
| 修理方法 | 所要時間 | 修理費用 |
|---|---|---|
| 外部修理 | 30分程度 | 2,000〜3,000円程度 |
| 内部修理 | 60分程度 | 3,000〜5,000円程度 |
| 修理方法 | 所要時間 | 修理費用 |
|---|---|---|
| 外部修理 | 30分程度 | 2,000〜3,000円程度 |
| 内部修理 | 60分程度 | 3,000〜5,000円程度 |
外部修理は、タイヤをホイールから外さず、外側から修理材を打ち込んで空気漏れを止める方法です。短時間で済み、費用も安く抑えられますが、タイヤ内部の状態は確認できません。
一方、内部修理はタイヤをホイールから外し、内側からパッチやプラグを貼って補修する方法です。より確実かつ安全な修理方法で、耐久性にも優れています。
ただし、すべての店舗で内部修理ができるわけではありません。
ガソリンスタンドなどでは外部修理のみ対応の場合もあるため、修理を依頼する前に内部修理に対応しているか確認しておくと安心です。
タイヤのトラブルは日々の点検で早期発見しよう
タイヤに釘が刺さるトラブルは、どんなに慎重に運転していても完全に防ぐことはできません。
道路には建築現場から落ちた釘や金属片、ガラス片などが散らばっていることがあり、気づかないうちに踏んでしまうこともあるでしょう。
しかし、日常的にタイヤの状態をチェックする習慣をつけることで、異変にいち早く気づけるようになり、パンクやバーストなどの重大トラブルを防ぐことができます。
また、最近ではランフラットタイヤを選ぶ方も増えています。ランフラットタイヤは、空気が抜けても一定距離を走行できる構造になっており、突然のパンク時でも安全な場所まで移動できるのがメリットです。
高速道路や夜間走行など、すぐに修理が難しい状況でも自走できるのは安心感につながります。
未然にトラブルを防ぐには、月に一度はプロのタイヤ点検を受けることをおすすめします。
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タイヤに釘が刺さったら必要に応じてプロに頼ろう!
タイヤに釘が刺さっているのを見つけたら、まずは慌てずに行動することが大切です。釘は抜かず、刺さった場所や空気の漏れ具合を確認し、応急処置による走行が可能かどうかを判断してください。
自走できない場合や、応急処置に不安がある場合は、ロードサービスを手配するとより安心です。
一見すると空気が抜けていないように見えても、内部の空気が徐々に漏れていることがあります。見た目に異常がない場合でも、できるだけ早く整備工場やタイヤ専門店に持ち込み、プロに修理・交換を依頼しましょう。
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- 空気圧
- 残り溝
- 傷やひび割れ
- 偏摩耗
また、より安心感を求める方は、ランフラットタイヤへの交換を検討するのもおすすめです。
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釘が刺さったタイヤを放置すると、思わぬ事故につながることがあります。プロによる定期点検で、安全で快適なドライブを続けましょう。